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すみだカーネルクリニック

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野口 千明 院長
インタビュー
野口 千明 院長 ノグチ チアキ
CHIAKI NOGUCHI
すみだカーネルクリニック
出身地:東京都
出身大学:東京大学医学部
趣味・特技:ドライブ、ライブ鑑賞
好きな作家:阿刀田高
好きな映画:『ナイト・ミュージアム』
好きなアーティスト:ポール・マッカートニー
好きな場所・観光地:京都、パリ
好きな言葉:「調和」
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■生まれ育った墨田区での開業
理系に進むことはかなり早い時点で決めていました。その理系の中で、トータルサイエンスとしての面白さと、人と接するサービス業をしたいという思いから、医学部を希望するようになったのです。
初めになりたかった職業はSEでした。ただ、今思えば、SEと医師はとても似ているような気がするんですね。原因を突き止めてバグを取っていくのがSEの仕事ですが、これは人間の身体にも通じることでしょう。それから、“よくあること”をとっかかりにして問題を解決することがあるのも共通する部分です。理論は大切ですけども、すべての可能性を検査によって明らかにしようと思えば、いたずらに患者さんの時間を奪うことになります。ですから、“よくあること”から入っていくのも間違いではないということなんですね。私は同業者だけではなく、他業種の友人ともプライベートで交流を持っています。彼らの目線や考え方を学ぶことが、日々の診療に役立っている気がします。

2018年に『すみだゼネラルクリニック』を開院いたしました。墨田区は私が生まれ育ったところですから、いつかは帰ってきたいと思っていました。私はそれまで比較的大きな医療法人に属し、新しく入ってきた医師の能力や個性を考慮しながら、適材適所で各クリニックに振り分けるという仕事も担当していました。それが55歳となり、自分自身への提案として、この場所を選んだということなのです。
2021年の移転に伴い、『すみだゼネラルクリニック』は待ち時間の解消を意図し、完全予約制へと踏み切りました。しかし、ご存知のようにこの年には新型コロナウイルスの感染拡大がありました。新型コロナウイルスの陽性者だけでも1万人ほどの方を診てきましたので、最大限頑張ってきたつもりではありますが、それでもお断りせざるを得ないこともあって、完全予約制と発熱外来との共存は難しいということを痛感することになりました。また感染制御の観点からも発熱外来の分離が望ましいと考えていたところ、幸運にも同じビル内にスペースを確保することが叶い、『カーネルクリニック』を開設するにいたったのです。院内には独立した検体採取専用の部屋を設け、高性能な空気清浄機を導入することで飛沫のコントロールにも万全な体制を整えています。かたや、完全予約で待ち時間を極力無くしてしっかり患者さんのお悩みを聞いていく。かたや、発熱に代表される突発的な求めにも応じていく。同じビル内にある2つのクリニックがお互いを補完しあうことで、よりゼネラルなクリニックに近づいていけると考えています。

野口 千明 院長 野口 千明 院長

■ゼネラルとカーネル。2つのクリニックが補完し合うことで
臓器や病気だけを診るのではなく、その方の全人格に関わり、問題点を抽出して解決していくというコンセプトがあり、「ゼネラル」とクリニック名に冠しました。患者さんの主訴を伺うのはもちろんなのですけども、その病気の背景に何があるか、ということを考えるのが私たちの仕事だと思っています。例えば、末梢循環がよろしくないようであれば、血圧やコレステロールの値を聞き、ご存知でなければ検診を勧めるという具合ですね。一旦症状が治ったらよしとするのではなく、再発を起こさないよう、普段からの生活を改善していく提案ができたらと思っています。

この度、発熱外来をお断りせざるを得なかった反省を踏まえ、相補う形で『カーネルクリニック』を開設したのは先に述べた通りです。「カーネル(KERNEL)」には、「核」という意味があります。街のクリニックにおいて、「発熱」は核たる部分であり、その任を担うべくこの名前を冠しました。繰り返しになりますが、2つのクリニックがお互いを補完しあうことで、より多くの患者さんに貢献できると考えています。

■年齢も診療科の垣根もなくあらゆるものを診ていく
野口 千明 院長ヨーロッパではすでにそうなっていますが、日本においても今後はジェネラリストの開業医とスペシャリストの病院というように二分化されていくと思われます。私たちは、普段、ちょっとしたことでみなさんが相談できるような場所を目指していきます。
SAPHO症候群という病気があります。手足に湿疹が出たり、リウマチのような痛みが胸に出たりと、皮膚や骨、関節に様々な症状が現れる病気です。この病気を診るためには、内科や皮膚科、耳鼻咽喉科と様々な領域に踏み込んでいく必要がありますが、患者さんに3つの科を受診してくださいというのは酷ですよね。また、何科にかかっていいかわからないという病気もあります。そうしたお悩みを一括で診察し、適切な医療へと導いていく、医療のポータルサイト的な役割を私たちは担っていきます。

■患者さんの経済的・時間的なコストにも配慮していきたい
様々な分野を扱う中で、『カーネルクリニック』として力を入れていきたいのが、アンチエイジングです。アンチエイジングというと、“見た目”を連想される方も多いでしょう。皮膚に関してはゼネラルクリニックでそのニーズに応えてまいりますが、『カーネルクリニック』ではエコーによって血管年齢を評価し、身体の内側から老化を防いでいくことに注力してまいります。この分野に関しては、大学病院の循環器内科に籍を置く若くバイタリティに溢れるドクターが手伝ってくれていますので、私たちも心強く思っています。

患者さんの経済的・時間的コストを減らしていく。こちらも私どものコンセプトの1つであり、そのコンセプトに則る形で、今後は一層オンライン診療に力を傾けていきたいと考えています。例えばですが、真夏にわざわざ来院いただき、血圧を測定する必要はそれほどないと思うのです。禁煙外来や睡眠時無呼吸症候群など、オンラインでチェックできれば、それで事足りることは他にもあります。さらに2つのクリニックでは医療DXを推進してまいります。スマホのアプリ1つで、チェックインにチェックアウト、そして会計を行えるようになりました。近い将来、電子処方箋が実現していけば、診察が終わってちょっと買い物などをしているうちに処方箋が薬局に届き、お薬をすぐに受け取って帰る、ということもできるでしょう。すべてに通じることですけども、患者さんが経済的・時間的に余裕をおぼえ、医療機関を受診することのハードルを下げていけたらと思っています。

■これから受診される患者さんへ
その昔、墨田区はものづくりの街でした。当時とはまた違いますが、スカイツリーに象徴されるように、また新たな形で盛り上がろうとしています。私は墨田区で生まれ育ったものとして、医療面でその流れを応援したいと思っています。何か気になることがありましたら、どんなことでもお気軽にご相談ください。

※上記記事は2024年8月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

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