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竹内 館長 & 田中 学芸員
タケウチ & タナカ
TAKEUCHI & TANAKA |
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江戸東京博物館 |
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生年月日:[竹内]1933年10月29日 |
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出身地:[竹内]東京都 |
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血液型:[竹内]O型 |
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趣味・特技:[竹内]相撲観戦 |
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好きな本・愛読書:[竹内]時代小説 |
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好きな映画:[竹内]生きる(志村喬主演) |
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好きな言葉・座右の銘:[竹内]初心忘るべからず |
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■江戸東京博物館開館の経緯についてお聞かせください。 |
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【竹内 誠 館長】
江戸東京博物館は平成5年に開館しましたが、その10年以上も前から各種委員会を設置し、開館に向けて検討・準備を重ねてきました。
その際にメンバー間でまず確認されたのは、他の歴史博物館との差別化を図ることでした。そこで、古代から現代までを網羅する従来の総合型の博物館と一線を画すべく、当館では、江戸から東京に至るまでの400年間の都市史に特化した専門型の博物館を目指すことを、ひとつコンセプトとして定めました。
そして、もうひとつ定めたコンセプトは「体験型の博物館」です。当館には、ガラスケースに収められた展示品ももちろんありますが、それとともに、さわれる展示品や模型なども数多くご用意しています。たとえば、肥桶や千両箱などは実際に持ち上げることができるようになっているのですが、その重みを通して、江戸の人たちの生活を肌で感じていただきたいと思っています。
博物館というと、展示品を並べて、それをお客様に見ていただくだけというところが少なくありませんが、それではなかなか“生きた歴史”を学ぶことは難しいのではないでしょうか。見るだけではなく五感をフルに使って楽しみ、そして感動していただける博物館であることを、開館当初から現在に至るまで常に意識し続けています。 |
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■施設の概要や来館者についてお聞かせください。 |
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【田中 裕二 学芸員】
地下1階から地上7階まで、延床面積5万㎡にもおよぶ当館の中には、常設展や特別展が行われる展示室のほか、図書室、映像ホール、レストラン、ミュージアッムショップといった施設も併設されています。お近くの両国国技館や隅田川なども合わせて巡りますと、丸1日楽しんでいただけるかと思います。
平成5年の開館以来、おかげさまでたいへん多くのお客様にお越しいただいていまして、平成12年には来館者数1,000万人を達成。現在も、毎年100万人以上の方にご来館いただいています。個人のお客様はもちろん、ツアーに参加されている団体のお客様、そして社会科見学の学生のお客様も多く、特に社会科見学は都内に限らず、全国からいらっしゃいますので、館内が1日、小中学生でいっぱいということもあります。
個人のお客様から団体のお客様まで、またお子様から年配のお客様まで、どんな方にも楽しんでいただけるよう、これからも努めてまいりたいと思っています。 |
■特別展についてご紹介ください。 |
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【田中 裕二 学芸員】
常設展とは別に、大河ドラマとの連動企画や大規模な海外浮世絵展など、さまざまなテーマの特別展を、1階の展示室にて年5~6回開催しています。
過去に人気のあった企画をいくつかご紹介させていただきますと、まずは2007年の「江戸城展」。こちらは、江戸城築城550年を記念して開催したものなのですが、200を超える展示品の数々でもって、全国屈指の規模を誇った江戸城の真実を解き明かす初の試みとして、たいへん好評を博しました。
そしてもうひとつは、「八百八町」とも呼ばれる江戸の町並みと、そこでの暮らしぶりにスポットを当てた「大江戸八百八町展」。こちらは江戸開府400年と当館の開館10周年が重なったこともあり、多くのお客様で賑わいました。
以上2つの企画は、記憶にも記録にも残る特別展として、私たちスタッフの心にも深く刻まれておりますが、これらに負けない魅力的な特別展を、今後もどんどん企画していきたいと思っていますので、どうぞご期待ください。 |
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■常設展の展示構成と見どころを教えてください。 |
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【竹内 誠 館長】
常設展の展示品や模型は細部にまでこだわって再現していますので、そちらもぜひご注目いただければと思います。たとえば、江戸ゾーンに歌舞伎の演目「助六」の舞台を再現した展示がありますが、こちらは、今は亡き市川団十郎さんに監修していただきました。人形の手首の太さといった、非常に細かいところまでアドバイスいただいたことを、今もなお鮮明に覚えています。また、さきほど話にあった両国橋の模型をつくるにあたっては、職人さんたちはわざわざ隅田川まで足を運んで、そこで観察した航跡までも忠実に再現しています。そしてこれは、博物館スタッフだからこそ知る、通な楽しみ方のひとつなのですが、同じく両国橋の模型のどこかに、密かにデートを楽しんでいるカップルの姿がありますので、ぜひ探してみてください。
【田中 裕二 学芸員】
常設展は大きく分けて、江戸ゾーンと東京ゾーンの2つで構成されています。まずは江戸ゾーンなのですが、その前に、入口をはいるとすぐに実物大の日本橋が私たちを出迎えてくれます。これを渡っていただくことでお客様は、現代から江戸時代へ、400年の時を一気にタイムスリップできるという趣向になっています。
そして日本橋を渡った先にありますのは、武家屋敷と町人地のジオラマです。どちらも同じ縮尺になっていますので、広さや大きさの違いを比較しながらお楽しみいただくことができます。さらに階段を下りていただいた5階では、江戸の生活や文化を、テーマごとにご紹介しています。ここ両国が、江戸きっての盛り場であった頃を再現した両国橋の模型と芝居小屋の中村座が、江戸ゾーンのハイライトとなっています。
一方、東京ゾーンの見どころとしては、銀座のレンガ街、浅草の凌雲閣や電気館などが挙げられます。ただし、文明開化の象徴ともいうべきそうした建物のすぐ裏側で、実は江戸時代とさほど変わらない暮らしを営んでおり、そのあたりも再現しています。明治時代になり町並みも人々の生活様式も大きく変わっていきますが、それでも江戸と東京は断絶した関係ではなく、そこには確固たる連続性があります。だから当館も、「江戸・東京博物館」ではなく、あくまでも「江戸東京博物館」なんですよ。 |
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■最後に、地域の皆様にメッセージをお願いします。 |
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【竹内 誠 館長】
当館には、首都圏だけでなく広く全国から、また海外からも多くのお客様にお越しいただいています。ただし、観光地としてどんなにメジャーになったとしても、私たちの基本的な姿勢は「地域密着」にあります。
そこで当館では、博物館の外に飛び出して、地元の企業や団体などと連携しながら、さまざまな活動や催しにも積極的に取り組んでいます。なかでも両国の街の活性化とPRを目的とした「両国にぎわい祭り」は、今年(2013年)で第11回を数え、両国の風物詩としてすっかり定着しました。祭りの期間中は7万人もの方がここ両国を訪れ、大好評のちゃんこなべの競演とも相まって、街はまさに熱気で包まれます。
今後も、地元の皆様に愛される博物館づくり、そして地域貢献に努めてまいりたいと思っています。
【田中 裕二 学芸員】
館内を歩いていますと、東京ゾーンの「昭和」のコーナーあたりからは時折、年配のお客様の「なつかしい」といった声を耳にすることがあります。核家族化が進み、文化や知恵の伝承が難しくなってきている昨今、ぜひとも親子三世代でご来館いただき、一緒に展示品を見て・さわって・楽しんで、そして時代の記憶を共有していただければ幸いです。
現在の東京ゾーンの展示は「東京オリンピック」までとなっているのですが、今後はそれ以降の時代の展示も視野に入れつつ、博物館自体も成長させていくことができればと思っています。
※上記記事は2013.3に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。 |
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